クリエイトまち塾では、2023年度にカリキュラムの中期的方針である「カリキュラムポリシー」を定めました。
ステートメント
ステートメントは、クリエイトまち塾が大切にしている価値観や、社会において果たす役割などを具体化したもので、クリエイトまち塾が守り抜くべき理念です。
すべてのスタッフは、ステートメントのもとに活動に臨むほか、カリキュラムポリシーの前提条件にもなるものです。
2022年12月制定
- クリエイトまち塾は、高校生が主役となり、地域を巻き込み、学びあいながらまちづくりを体験する活動であり、「三人称の提言より、一人称の実践」を活動の中心に据える。
- クリエイトまち塾は、個人の能力をいかんなく発揮する地域の未来を担う人材を育成することを使命とする。
- クリエイトまち塾は、主体性をもって多様な人々と協働する態度と地域愛着を涵養する。
カリキュラムポリシー(編成方針)
ステートメントに基づき「三人称の提言より、一人称の実践」を合言葉に、地域での実践と、それを学びに変換する講義を通じて、実践経験で得た学びを一般化し、日常生活や学校生活・社会生活でも応用できるようなカリキュラムを編成します。
- 本格的な実践の場を用意する。充分な実践機会を提供し、実践経験を養う。
- 参加者・関係者の「学びあい」が創発される機会を提供する。
- もっとまちづくりに関わりたくなる工夫をする。
- 異なる属性(異学年・他校・他世代)との関わりが生まれる機会を積極的に提供する。
- 自ら考える力が養われる工夫をする。
クラス
(総論)
- クリエイトまち塾ならではの「クラス」を中心としたまちづくり活動で、本格的なまちづくりの実践機会を提供し、まちづくりの楽しさや深みを提供します。
※ 本格的なまちづくり…イベントへの単発参加ではなく、計画から実行までをおこなうまちづくり活動を指す。 - クラスには、大人世代の「担任」を配置します。担任は、地域のことを教えてくれる「先生」の役目と、クラスでの活動を豊かにする「コーディネーター」の役目を担います。「担任」は教える一方ではなく、参加者からも学ぶ姿勢を持つことで、学びあいの場を提供します。
※ コーディネーター…参加者の意見を整理したり、参加者のやりたいことにあわせた場を検討する役割。また、ホームルームを和ませる役割。 - クラスには大学生世代の「副担任」を配置します。年齢が近い特性を生かして、活動でつらくなった時のサポートや、クラスでの活動に対する問いの投げかけを行い、充実した活動の場を提供します。
(実践)
- クラスを中心に、参加者が主体となる一年間を通じたプロジェクト型の実践の場を提供します。担任と副担任はサポート役に徹します。
※ サポート役…参加者にとってプロジェクトが「自分事」になることを阻害しない程度の関わり。 - 実践はクラスとして、最後までやりきることを目標に取り組みます。
- 毎年活動のテーマを定め、そのテーマのもとで、自らの興味関心に引き寄せたプロジェクト型の実践をクラスごとに行います。
- 様々な地域関係者とかかわりを持てるように実践をサポートする専門家集団「アドバイザリーボード」を組成し、適宜、参加者は活用することができます。副担任も適宜、活用を呼びかけます。
- 「やって終わり」にならないように、成果発表会の準備を通じて、活動を振り返り総括・反省を通じて学びに変換します。報告書の作成は参加者が担いますが、振り返りのプロセスは担任・副担任もサポートします。
- 成果発表会を開催し、クラスごとに活動報告を行います。発表に対して審査員が採点し、最高点のクラスに対して「クリエイトアワード」を授与します。
- 活動発表が有意義なものになるように、事前にプロジェクトの進捗確認と批評の場として中間発表会(12月頃)、成果発表会の発表内容のアドバイスを行う場としてリハーサル(3月)を用意します。
- 実践に向けた準備や議論を十分に行うために、コアプログラムとは別に「サブプログラム」を月1回実施し、そこで打合せや準備作業の場を提供します。
- 準備などにあたり集える場を提供できるよう努力します。
- 充分な実践となるようクラス編成にあたってはクラス数よりも1クラスあたりの人数を重視します。
コアプログラム
- 実践を学びに変換する場として「コアプログラム」を月1回開講します。「コアプログラム」はインプットを行う場です。
- インプットの場として、まちづくりとリンクする分野の知識を得られる講義(75分程度)や、地域でのフィールドワークを行います。
- ホームルームの時間(90分)を設け、実践に向けた準備やディスカッションを通じて、少人数ならではの学びを提供します。
- 他校・異学年が集うという特色を生かしたワークショップやレクリエーションの場を提供します。
- まちづくりや実践の楽しさを体感するために原則、対面での活動とします。ただし、事務的な打ち合わせや、遠方の講師を招くなどオンラインで行うことが効率的な場合においてはオンラインも活用します。
サブプログラム
- ホームルームの実践が本格的なものになるように、打合せや実践の時間を確保するため、コアプログラムとは別に集まる機会(サブプログラム:90分)を用意します。
- プロジェクトの充実を目的とするため、実施手法は活動の進捗に応じて、オンライン・オフラインを自由に使い分けることとします。
まちづくりマイスター
- 個々のまちづくりでの経験と学びを可視化し、目指す人財としての要件を備えていることを認定する制度を導入します。
- 実践の回数や参加率などをもとに達成度を計測し、一定の基準に達した場合に「まちづくりマイスター」の認定を行います。
ゆるやかな学年進行
- クリエイトまち塾への参加が遅すぎるということはありません。どの学年からでもフラットに参加することができます。
- 1年で学びを完結させることなく、1年完結のプログラムを複数年、積み上げていくことで、学びは深めていきます。
- 初めてまちづくりへ参加するには戸惑いもあることを踏まえ、初めてクリエイトまち塾に参加する参加者に向けてオリエンテーションの場(「ゲートウェイプログラム」)を提供します。
- まちづくりは経験を重ねることで知見が深まるもので、一年で完結するものではありません。2年目や3年目に向けて上級編の学びの場(「エキスパートプログラム」)を提供します。